「また同じことを言わせて!」「なんで言うことを聞かないの!」
子育てをしていると、毎日のようにそんな場面に出くわします。そのたびに自己嫌悪に陥るお母さん・お父さんも多いのではないでしょうか。
実は、そんな悩みに100年以上前からひとつの答えを出してきた心理学者がいます。アルフレッド・アドラーです。
アドラー心理学とは?「なぜ」より「何のために」
アドラー心理学の大きな特徴は、行動の原因ではなく目的に注目することです。
たとえば、子どもがわざとおもちゃを散らかしたとき。「なぜ散らかすの?」と聞くのではなく、「この子は何のためにこうしているの?」と考えます。
🌱 比喩で考えよう:子どもは「水を求める種」
子どもは生まれながらに、関心・承認・つながりを求める「種」です。問題行動は、枯れかけたサインではなく、「水をください」という訴えかもしれません。
褒め言葉の「落とし穴」──評価より感謝を
「えらい!」「すごい!」──よかれと思って使うこの言葉が、子どもの自立を妨げることがあります。
アドラーは「褒める」行為を、上の者が下の者を評価する行為と捉えました。繰り返せば、子どもは「褒められるためにやる子」になってしまいます。
代わりに効果的なのが、「ありがとう」「助かったよ」という感謝の言葉。
| 褒め言葉(評価) | 感謝の言葉(共感) |
|---|---|
| 「すごいね!100点とれたじゃない」 | 「頑張ったんだね。ありがとう、見せてくれて嬉しいよ」 |
| 「えらい、お手伝いできたね」 | 「助かったよ、あなたがいてくれてよかった」 |
🌱 比喩で考えよう:子育ては”水やり”より”土づくり”
褒めて伸ばすのは、水を与え続けること。でも本当に必要なのは、自分で水を吸い上げられる「根の力」を育てる土づくりです。感謝の言葉は、その土を豊かにしてくれます。
「課題の分離」──イライラが消える魔法の考え方
子育て中の悩みの多くは、子どもの課題と親の課題が混在していることから生まれます。
宿題をやらない、朝起きられない、友だちとうまくいかない──これらは誰の課題でしょうか?
アドラー心理学では、「その結末を最終的に引き受けるのは誰か」で課題を分けます。宿題をやらなかった結果(成績が下がる、先生に叱られる)を受けるのは子ども自身。だとすれば、それは子どもの課題です。
親にできることは、サポートを申し出ること。でも「やりなさい!」と代わりに背負うことではありません。
🌱 比喩で考えよう:子どもの荷物を代わりに持たない
山登りで友だちの重いリュックをずっと持ってあげていたら、友だちの足腰は育ちません。「きつかったら言ってね」と寄り添いながら、荷物は自分で持たせる──それが本当の愛情です。
今日からできる、アドラー流の一言
難しく考えなくて大丈夫。今日から意識できる声かけを3つご紹介します。
- 「どうしたい?」──子ども自身に選ばせる習慣をつける
- 「一緒に考えよう」──解決策を親が押しつけない
- 「ありがとう、助かったよ」──評価より感謝を伝える
まとめ
アドラー心理学は、決して「怒るな」「叱るな」と言っているわけではありません。ただ、子どもをひとりの人間として尊重し、自分の力で育つのを信じて見守る姿勢を大切にしています。
子育ては、完璧である必要はありません。昨日よりほんの少し、「感謝」と「信頼」の言葉を増やすだけで、家の中の空気がきっと変わってきます。
あなたの子育て、すでに十分がんばっています。アドラーの言葉を、ちょっとした道しるべにしてみてください。
参考:アルフレッド・アドラー「個人心理学」/岸見一郎・古賀史健「嫌われる勇気」


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