「あれ、もうあのキャラクター好きじゃないの?」
3人の子どもを育てていて、
最近つくづく思うことがあります。
子どもの「好き」って、本当に変わっていくんですよね。
長女(小6)は保育園のころに大好きだったキャラクターに
もう見向きもしない。
長男(小4)は去年夢中だったゲームが
今は別のゲームに変わっている。
次女(小2)は今まさに、好きが目まぐるしく動いている最中。
「せっかく買ったのに」「まだ使えるのに」と思うこともある(笑)
でも見ていると気づくことがあります。
「好きが変わる」のは飽きっぽさじゃなくて、
誰かとの出会いを通じて世界が広がっているサインかもしれない、と。
この記事では、アドラー心理学の「共同体感覚」という視点から、
子どもの「好きの変化」の意味と、
それを豊かに受け取る親の視点を考えます。
なぜ子どもの「好き」は変わるのか
「好きが変わる」きっかけはほぼ「誰か」
子どもの「好き」が変わるとき、
よく見るとそのきっかけは決まって「誰か」との出会いです。
YouTubeで見つけた動画。
クラスメイトが話していたこと。
仲の良い友達が夢中になっていたもの。
学校で流行っていること。
「自分の中から突然生まれた新しい好き」より、
「誰かの好きに触れて、自分の好きが動き始めた」というパターンの方が
圧倒的に多い。
「好きが変わった」より「好きが増えた」
「好きが変わった」という表現は、
前の好きが消えてしまったイメージを持ちやすい。
でも実際には「前の好きに加えて、新しい好きが生まれた」
というケースも多いはずです。
長女が今のキャラクターに見向きもしないのは、
「それより好きなもの」ができたから。
「前の好きが消えた」のではなく、
「好きのレパートリーが広がった先で、今はこっちに夢中」
という状態とも言えます。
「人との出会い」が世界の窓を開く
子どもにとって、人との出会いは「世界の窓」を開けるものです。
友達が「これ面白いよ」と言った瞬間、
その友達の世界の一部が自分にも届く。
「へえ、そんなものがあるの」という発見が、
新しい「好き」の入り口になっていく。
人とのつながりが、子どもの世界を広げる媒介になっています。
アドラー心理学が教える「共同体感覚」と好きの広がり
「人はつながりの中で育つ」
アドラー心理学の「共同体感覚」——
「自分はつながっている、ここにいていい」という感覚——は、
人が人とのつながりの中で育つという視点でもあります。
子どもの「好き」もまた、
人とのつながりの中で変化し、広がっていきます。
「誰かの好きに触れる」という体験が、
共同体感覚を育てながら、
同時に子どもの「好きの世界」を広げていきます。
「内発的動機」は人との接触から火がつくこともある
アドラー心理学の「内発的動機」——
「やりたいからやる」という内側からの動機——は、
自分の内側だけから生まれるとは限りません。
誰かの「これ面白い!」という熱量に触れたとき、
「自分もやってみたい」という内発的動機に火がつくことがある。
「誰かに強制されたから」ではなく、
「誰かの好きに触れて、自分もやってみたくなった」——
これも立派な内発的動機の形です。
「変化を受け取る」ことが子どもの世界を守る
子どもの「好き」が変わったとき、
「また変わったの?」「せっかく買ったのに」という
反応が続くと、子どもは「好きが変わること」を
言い出しにくくなることがあります。
「新しい好きを見つけたんだね」と
変化を豊かに受け取ることが、
子どもが「好きを自由に探せる」安心感を守ります。
3人の好きの変化から見えたこと
長女(小6):保育園の好きは今どこへ
保育園のころ大好きだったキャラクターは、
今の長女の部屋にはほぼない。
でも「あのころのあのキャラクターが好きだった長女」は、
確かにいた。
そこからどんなものに出会って、
どう変わっていったかを振り返ると、
「誰かの好きに触れる→自分の好きが動く」という
連鎖が繰り返されてきたことがわかります。
今の長女の「好き」は、
これまでの出会いの全部が積み重なった先にある。
長男(小4):去年の好きが今年の好きを生んだ
長男が去年夢中だったゲームが今年は別のゲームに変わっているのも、
「去年の好きで出会った人・コミュニティ・動画」が
新しい好きへのきっかけになっているケースが多い。
「ゲームが変わった」のではなく、
「ゲームを通じた出会いが、次のゲームへの扉を開いた」とも言えます。
次女(小2):今まさに好きが広がっている最中
次女は今、新しいものへの好奇心が全開な時期です。
友達の話に乗って、YouTubeに出会って、
姉や兄の「好き」にも触れながら、
目まぐるしく好きが変わっている。
この「目まぐるしさ」こそが、
次女の世界が今一番速いスピードで広がっているサインだと
思っています。
「好きの変化」を豊かに受け取るための3つの視点
視点1:「変わった」より「広がった」と見る
「また好きが変わった」ではなく、
「また新しいものに出会えた」として受け取る。
「前の好きはどこへ」ではなく、
「今の好きはどんな出会いから来たの?」と聞いてみる。
「好きの変化」を変遷ではなく蓄積として見ることが、
子どもの世界の広がりをよりポジティブに受け取れます。
視点2:「誰かの好き」への扉を開いておく
子どもが「友達がこれ面白いって言ってた」と言ったとき、
「そういうものは興味ない」と遮断するより、
「そうなんだ、どんなの?」と扉を開いておく。
「誰かの好きへの扉」を開いておくことが、
子どもの世界を広げる機会を守ります。
視点3:「今の好き」を全力で受け取る
「また変わるんだろうな」と思いながら薄めに関わるより、
「今この子がこれを好きなんだ」と
今の好きを全力で受け取る。
「今の好き」に全力で向き合ってもらった体験が、
子どもの「好きを持っていていい」という感覚を育てます。
「好きが変わる」は世界が広がっているサイン
少し前まで夢中だったものへの興味がなくなる。
新しいものへ次々と乗り換えていく。
これは「飽きっぽさ」や「移り気」ではなく、
人との出会いを通じて世界が広がっているサインです。
アドラーが言う「共同体感覚」——
人はつながりの中で育つ——は、
子どもの「好きの変化」の中にも確かに働いています。
「誰かの好きに触れる」→「自分の好きが動く」→「世界が広がる」
この連鎖を、子どもの成長として受け取れる視点を
持っていたいと思っています。


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