「なんか気づいたら話してた」という一言
長男(小4)が、習い事で一緒の子たちと
友達になれたようです。
通い始めて半年。
同じ小学校の子もほとんどおらず、
練習の合間も何となく距離があるように見えていて、
親としてはずっと「大丈夫かな」と思いながら見ていました。
それが先日、みんながやっているゲームの話をしたり、
一緒に市民プールへ行ったりしたとのこと。
「仲良くなってたの?」と聞いたら、
「うん、なんか気づいたら話してた」と長男が言いました。
この「なんか気づいたら話してた」という一言が、
なんかすごくよくて。
友達って、「仲良くなろう」と意識して頑張るより、
「一緒に楽しい」と思えた瞬間から
自然と始まることがあるんだな、と気づいた出来事でした。
この記事では、アドラー心理学の「共同体感覚」という視点から、
子どもの友達関係が自然に育つ仕組みと、
親の関わり方を考えます。
なぜ「仲良くなろうと頑張る」とうまくいかないことがあるのか
「仲良くなろう」という意識が緊張を生む
「あの子と友達になりたい」と意識すると、
どうしても「うまくやろう」という力みが生まれます。
何を話せばいいかわからない。
変なことを言ったらどうしよう。
嫌われたらどうしよう。
この緊張が、かえって距離を縮めにくくする。
「仲良くなること」が目的になると、
関係はぎこちなくなりやすいです。
「一緒に楽しい」が先に来ると自然になる
一方で「一緒に楽しい」が先に来ると、
目的が「友達になること」ではなく「楽しむこと」になります。
「このゲーム、お前もやってるの?」という話題から始まって、
「じゃあプール行こうよ」という流れになって、
気づいたら笑い合っていた。
「友達になろう」という意識がない分、
自然体でいられる。
その自然さが、関係を育てていきます。
「時間」が関係を熟成させる
長男の場合、半年かかりました。
最初の数ヶ月は、練習の合間もあまり話さなかった。
でも同じ場所で、同じことに向き合っていた。
「一緒にいた時間」が積み重なっていたことが、
「気づいたら話してた」という自然な関係の土台になっていた気がします。
「まだ友達になっていない」のではなく、
「関係が熟成している途中だった」のかもしれない。
アドラー心理学が教える「共同体感覚」と友達関係
「つながっている」感覚は体験から生まれる
アドラー心理学の「共同体感覚」——
「自分はつながっている、ここにいていい」という感覚——は、
意識して作るものではありません。
一緒に何かを体験して、
「一緒に楽しかった」という記憶から
自然に生まれてくるものです。
ゲームの話で盛り上がった。
一緒にプールに行って笑った。
こういう「一緒の楽しい体験」が
共同体感覚の土台になっていきます。
「共通の話題」が橋渡しになる
長男の場合、「みんながやっているゲームの話」が
橋渡しになりました。
「好きなものが同じ」という発見が、
距離を一気に縮めることがある。
アドラーの「共同体感覚」は、
「共通のものを持っている」という感覚からも育ちます。
「同じゲームをやっている」という共通点が、
「自分たちはつながっている」という感覚を生み出す。
「課題の分離」で友達関係を急かさない
アドラーの「課題の分離」の視点では、
「誰と友達になるか」「いつ友達になるか」は
子どもの課題です。
「もっと積極的に話しかけなさい」
「まだ友達できないの?」
こういった親の言葉は、
子どもの課題に踏み込んでいます。
親の課題は、
「子どもが友達を作りやすい体験の機会を作ること」と
「子どもの友達関係を信じて待つこと」。
「まだ友達になっていない」を
「今、関係が育っている途中」と受け取れると、
焦りがずいぶん減ります。
3児パパが半年間「何も言わずに見ていた」理由
「大丈夫かな」と思いながら見ていた
長男が習い事を始めて最初の数ヶ月、
正直「大丈夫かな」と思っていました。
同じ小学校の子がほとんどいない環境で、
練習の合間も誰かと話している様子がない。
「もっと話しかけてみたら?」と言いたくなる気持ちも
あったのが正直なところです。
でも「口を出さない」を選んだ理由
でも、言わないことにしました。
「友達できた?」とも、頻繁には聞きませんでした。
理由は二つあります。
ひとつは、「友達関係は長男の課題」だということ。
もうひとつは、
「長男のペースがある」と思っていたからです。
長男は「好きなものが同じ子とすぐ打ち解ける」タイプ。
見ていると、最初は様子を見て、
「この人は信頼できる」と感じてから近づく。
そのペースを尊重しようと思っていました。
「なんか気づいたら話してた」が答えだった
半年後に「なんか気づいたら話してた」と言って帰ってきた。
「もっと早く言っておけばよかった」ではなく、
「待っていてよかった」と思いました。
長男のペースで、長男なりの距離感で、
少しずつ近づいていった結果が、今なのだと思います。
子どもの友達関係を「自然に育てる」ための3つの視点
視点1:「仲良くしなさい」より「一緒に楽しめる体験」を作る
「友達になりなさい」という言葉より、
「一緒に楽しめる体験」を作ることの方が、
友達関係の芽を育てます。
習い事は、同じ活動を共有できる場所。
「練習」という共通の時間が、
「一緒に楽しい」につながる土台になっています。
視点2:「まだ友達いないの?」ではなく「楽しんでる?」と聞く
「友達できた?」という質問は、
「友達のいない自分はダメ」という感覚を強めることがある。
代わりに「今日の練習どうだった?」
「楽しいこととかあった?」と聞く。
「楽しめているか」に意識を向けることで、
子どもが「友達作り」より「楽しむこと」に集中できます。
視点3:子どものペースを信じて待つ
すぐに友達になれる子もいれば、
時間をかけてゆっくり近づく子もいる。
長男のように「半年かけてじっくり」というペースも、
その子らしい友達の作り方です。
「まだできていない」を「今、育っている途中」として
受け取ることが、
子どもの友達関係を守る親の姿勢だと思います。
「気づいたら仲良くなってた」が最高の友達の始まり方
「仲良くなろう」と頑張るのではなく、
「一緒に楽しい」と思えた瞬間から始まった友達。
「なんか気づいたら話してた」という長男の一言に、
友達関係の一番自然な形が詰まっていた気がします。
アドラーが言う「共同体感覚」は、
意識して作るものではなく、
「一緒に何かを楽しんだ」体験の中から
自然に育っていくもの。
半年間、何も言わずに待っていてよかった。
長男のペースを信じていてよかった。
今年の夏の、一番好きな話でした。


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