折り紙の動画を見ながら、鉛筆立てが完成した日
子どもとYouTubeについて、少し考えました。
長女(小6)と次女(小2)が一緒に、
折り紙の動画を見ながら、
何枚もの折り紙を組み合わせて鉛筆立てを作っていました。
動画を止める。
折ってみる。
分からなかったら戻す。
また見て確認して作る。
その繰り返しで、最後にちゃんと鉛筆立てが完成しました。
「YouTubeって、使い方次第だな」と
改めて感じた出来事でした。
この記事では、アドラー心理学の「内発的動機」という視点から、
子どものYouTubeとの付き合い方を考えます。
「見すぎ」が気になるYouTube
「見すぎ」問題はどこから来るのか
「子どものYouTube、見すぎじゃないかな」と
気になる親御さんは多いと思います。
「何時間も見ている」
「ご飯の時間になっても止められない」
「何を見ているかわからない」
こういった状況が、「見すぎ」という感覚をつくっています。
「見すぎ問題」の本質は「時間」より「状態」
「何時間見たか」という時間だけが問題ではなく、
「どういう状態で見ているか」の方が、
本質的な問題かもしれません。
「目的なく、なんとなく流れに乗って見続けている」状態と、
「作りたいものがあって、それを学ぶために見ている」状態は、
同じ「YouTubeを見ている」でも、まったく違います。
「時間の量」より「どういう使い方をしているか」が、
YouTubeとの付き合い方の核心です。
アドラー心理学が教える「内発的動機」とYouTube
「見たいから見る」と「作りたいから見る」の違い
アドラー心理学の「内発的動機」——
「自分がやりたいからやる」という内側からの動機——は、
YouTubeの使い方にも現れます。
「とにかく見たいから見る」という状態は、
娯楽としての消費です。
「鉛筆立てを作りたい、そのために折り紙の動画を見る」という状態は、
「目的があってツールを使う」内発的動機から来ています。
向きが逆なんです。
「YouTubeがあるから見る」のではなく、
「やりたいことがあるからYouTubeを使う」。
この違いが、「学びの道具」になるかどうかを分けます。
「見て学ぶ→自分でやってみる」のサイクル
娘たちの折り紙鉛筆立てには、
「見て学ぶ→自分でやってみる」というサイクルが
回っていました。
動画を見る(インプット)
→折ってみる(アウトプット)
→うまくいかなかったら戻す(フィードバック)
→また見て確認する(修正)
これは本質的な学習のプロセスです。
「学びのサイクル」がYouTubeという道具を通して
自然に回っていた。
「自己効力感」は「やってみた体験」から育つ
鉛筆立てが完成したとき、
娘たちが感じたのは「YouTubeで見たものを作れた」という
達成感ではなく、
「自分たちで考えて、試して、完成させた」という
自己効力感だったと思います。
「見て、確認して、修正して、完成させる」という
プロセスを自分たちで回したことが、
「自分でできる」という感覚を育てています。
「使い方次第」を生む3つの条件
条件1:「目的」が先にある
「作りたいものがある」
「知りたいことがある」
「やってみたいことがある」
この「目的」が先にあるとき、
YouTubeは「手段」になります。
目的なく「とりあえず見る」とき、
YouTubeが「目的」になってしまいます。
子どもが「何かをやりたい」という気持ちを持ったとき、
「それ、YouTubeで調べてみたら?」と
方向づけてあげることが、
「学びの使い方」への入り口になります。
条件2:「手を動かす」ことがセットになっている
娘たちは、動画を「見ながら」折っていました。
「見るだけ」で終わっていなかった。
「見て→やってみる」がセットになっているとき、
YouTubeは「参考書」のような機能を果たします。
「見ておしまい」になりやすい使い方より、
「見たら何かをやってみる」という習慣が、
YouTubeを「学びの道具」に変えます。
条件3:「一緒に」という共同作業がある
長女と次女が「2人で」作っていたことも、
大切なポイントです。
「ここ、こうじゃない?」という相談が生まれていた。
「あった!」という達成を共有していた。
一人で見るより、
誰かと一緒に「見て→作る」プロセスを進める方が、
共同体感覚が育まれながら、学びも深まります。
親としてどう関わるか
「何を見ているか」より「どう使っているか」を観察する
子どものYouTube利用を気にするとき、
「何を見ているか」だけでなく、
「どういう使い方をしているか」を観察してみる。
「なんとなく流れに乗って見続けている」のか、
「何かを作るために止めながら見ている」のか。
この違いを観察することが、
「見すぎ」問題をより正確に把握できます。
「やりたいことをYouTubeで調べてみたら?」という提案
子どもが「これ作りたい」「これ知りたい」と言ったとき、
「YouTubeで調べてみたら?」と提案してみる。
「YouTubeで勉強したら?」という命令より、
「これ、動画で見たら分かるかもよ」という提案の方が、
子どもの内発的動機につながりやすい。
「見て→やってみる」習慣を一緒に作る
料理動画を見たら、一緒に作ってみる。
工作動画を見たら、材料を一緒に準備する。
スポーツ動画を見たら、一緒に試してみる。
「見たものをやってみる」というセットを
家庭の習慣として作ることが、
YouTubeを「学びの道具」に変えていきます。
「使い方次第」が子どもの学びを変える
「YouTubeを見ること」が問題なのではなく、
「どういう使い方をしているか」が大切だった。
折り紙の動画を見ながら、止めて、折って、戻して、
2人で完成させた鉛筆立て。
「見て学ぶ→自分でやってみる」のサイクルが回っていた娘たちに、
「使い方次第でYouTubeは学びの道具になる」ということを
教えてもらいました。
アドラーが言う「内発的動機」——
「やりたいからやる」——が先にあるとき、
YouTubeはその力を引き出す道具になります。
「見すぎ」を心配するより、
「どう使っているか」を一緒に考えていきたいと思っています。


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