子どもの友達関係が、妙に気になる理由
子どもの友達関係って、なんだか気になりますよね。
仲の良い友達と楽しそうにしている姿は嬉しい。
でも、まだそれほど仲良くない子と
少し距離を取りながら話している姿を見ると、
「このあとうまくいくのかな」と
つい心配になることがある。
「もっと積極的に話しかければいいのに」
「友達少ないんじゃないかな」
「グループに入れているかな」
こういった心配は、
子どもを大切に思っているから生まれてくるものです。
でも見ていると気づきます。
子どもは、近づいたり少し離れたりしながら、
自分なりの「ちょうどいい距離」を学んでいる途中だと。
この記事では、アドラー心理学の「共同体感覚」と「課題の分離」をヒントに、
子どもの友達関係と、親の関わり方を考えます。
子どもの「友達関係」はどうやって育つのか
「ちょうどいい距離」は体験でしか学べない
人との関係における「ちょうどいい距離」は、
誰かに教えてもらえるものではありません。
近づきすぎて疲れる体験。
引きすぎて寂しくなる体験。
言いすぎて関係がぎこちなくなった体験。
もう少し言えばよかったと後悔した体験。
こういった試行錯誤の繰り返しの中で、
「この人とはこのくらいの距離感がいい」という感覚が
少しずつ育っていきます。
「友達の作り方」は、
教室で学ぶものではなく、
実際の人間関係の中で体得していくものです。
「友達の数」より「関係の質」
子どもの友達関係を心配するとき、
「友達が少ないんじゃないか」という量への不安が
出やすくなります。
でも友達の「数」より「質」の方が、
子どもの幸福感に影響することが多い。
一人でも「本当に気を許せる友達がいる」子どもは、
多くの友達がいても表面的な関係ばかりの子より、
心理的な安定感が高いことがあります。
「この子には友達が少ない」と心配する前に、
「この子には心を許せる友達がいるか」という
視点を持ってみることも大切です。
アドラー心理学が教える「友達関係」と「共同体感覚」
「共同体感覚」は試行錯誤の中で育つ
アドラー心理学の「共同体感覚」——
「自分はつながっている、ここにいていい」という感覚——は、
一気に完成するものではありません。
近づいたり離れたりの繰り返しを経て、
少しずつ育っていくものです。
子どもが友達関係で試行錯誤しているその時間は、
「共同体感覚を育てている大切な時間」でもあります。
「うまくいかない場面」も、
「距離感を学ぶ授業」として受け取ることができます。
「課題の分離」で友達関係を子どもに任せる
アドラーの「課題の分離」の視点では、
「どう友達関係を作るか」は子どもの課題です。
「もっと積極的に話しかけなさい」
「あの子と仲良くした方がいいんじゃない?」
こういった親の介入は、
子どもが自分の課題を自分で解決する機会を
奪ってしまうことがあります。
親の課題は、
「子どもが帰ってきたときに話を聞く場を作ること」と
「友達関係を自分で学ぶ時間と空間を守ること」。
見守ることと、帰る場所を作ることが、
親にできる最高の関わり方です。
「友達関係の悩み」を話せる関係を作る
子どもが友達関係で悩んだとき、
「親に話したい」と思えるかどうかが大切です。
「こんなこと言ったら心配させる」
「どうせ大したことないって言われる」
こういう気持ちが強くなると、
子どもは友達関係の悩みを一人で抱えるようになります。
「話してくれたらちゃんと聞くよ」という空気を
日常の中に作っておくこと。
それが、子どもの「帰る場所」になります。
3児パパが見た「3人の友達関係の作り方」
長女(小6):少数でも深く
長女の友達関係は、
「少ない人数で深く付き合う」スタイルです。
クラスに広く友達がいるというより、
特定の仲の良い友達と深い関係を作るのが得意。
夏休みも、特定の友達と繰り返し遊ぶ約束をしている。
小6の長女の「友達の形」は、
大人になっても続くスタイルになっていくのかもしれない。
長男(小4):好きなものがつなぐ
長男の友達関係は、
「サッカーがつなぐ関係」が多い。
「サッカー好きな子」とはすぐ打ち解ける。
好きなものが同じという共通点が、
一気に距離を縮めてくれる。
「共通の話題から始まる友達」という形が
長男の得意なパターンのようです。
次女(小2):まだ探っている途中
次女はまだ「友達の作り方」を探っている段階です。
近づいてみる、少し引いてみる、
また近づいてみる。
その繰り返しを見ながら、
「この子は今、ちょうどいい距離を学んでいる途中だ」と
感じています。
うまくいかない日もあるけれど、
その試行錯誤が次女の「人との距離感」を育てている。
そう思うと、少し安心して見ていられます。
子どもの友達関係を「見守る」ための4つの視点
視点1:「友達の数」より「話せる友達がいるか」で見る
「友達が多い=良い」ではなく、
「心を許せる友達が一人いる」方が
子どもの安心感にとって大切なことがある。
「この子は友達が少ない」ではなく、
「この子には話せる友達がいるかな」という視点に切り替える。
視点2:うまくいかない場面を「失敗」と見ない
友達関係のトラブル、気まずさ、すれ違い。
これらは「失敗」ではなく、
「ちょうどいい距離を学ぶ授業」の一場面です。
「うまくいかなかったね。次はどうしてみようか?」と
前向きに受け取る関わり方が、
子どもの回復力を育てます。
視点3:「帰ってきたときに聞く」だけでいい
友達関係について無理に聞き出さなくていい。
「今日どうだった?」を聞いて、
「別に」と言われたら「そっか」だけでいい。
でも何か話したそうにしているときは、
全力で受け取る。
「聞いてもらえる」という体験の積み重ねが、
子どもの「話せる関係」を作っていきます。
視点4:「友達関係は子どもの課題」と心に置く
「もっと積極的になりなさい」と言いたくなる気持ちは自然です。
でもそのたびに「これは子どもの課題」と思い直す。
親の役目は、
友達関係を作ることではなく、
「帰ってきたらここにいるよ」という場所を守ること。
「ちょうどいい距離」は体験の中でしか学べない
子どもは、近づいたり離れたりしながら、
人との「ちょうどいい距離」を学んでいます。
その試行錯誤の時間が、
アドラーが言う「共同体感覚」を育てていく過程でもあります。
うまくいかない場面も、
距離感の学びのひとつ。
親にできることは、
友達関係を管理することではなく、
「帰ってきたらちゃんと聞くよ」という
安心の場所を守っておくことだと思っています。
3人の子どもたちの友達関係を見ながら、
それぞれの「人との距離の取り方」を
楽しみに観察している今日この頃です。


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