「左利きなら左で息継ぎ」理論が見事に崩れた日
長男(小4)は、主に左利きです。
先日のスイミングスクールで、コーチから
「〇〇くんは左利きだよね?左側で息継ぎした方がやりやすいよ」
というアドバイスをもらいました。
なるほど、と思って見ていたら——
長男は左でやってみるものの、すぐに右に戻る。
「どっちがやりやすい?」と聞いたら
「右の方が断然ラク!」と即答でした。
コーチの「左利き理論」と本人の「体感」が、
見事にすれ違いました(笑)
左利きの子を育てていると、
こういう「理論と体感のずれ」みたいな場面に
しょっちゅう出会います。
この記事では、そんな長男のエピソードをきっかけに、
アドラー心理学の「個性の尊重」という視点から
子どもの「その子らしさ」を大切にする子育てを考えます。
左利きの子どもを育てて気づいたこと
「左利き=こうするべき」が意外と多い
左利きの子どもを育てていると、
「左利きだからこうした方がいい」というアドバイスを
いろんな場面でもらいます。
はさみは左利き用を使った方がいい。
ペンの持ち方はこう工夫した方がいい。
スポーツではこちらの向きが有利。
どれも親切なアドバイスで、参考になることも多い。
でも長男を見ていて気づいたのは、
「左利きのセオリー」が必ずしも本人に当てはまらないということです。
「右利き社会への適応」という独自スキル
左利きの人は、右利きが多数派の世界の中で、
幼い頃から「右利き用に作られたもの」に対応してきています。
はさみ、ノート、改札の向き、キーボードのテンキー。
こういったものに少しずつ対応しながら育ってきた結果、
「本来左利きだけど、右でも意外とできる」という
独自のスキルセットを持っている人が多い。
長男の「右の方が息継ぎラク」も、
こういった「右利き社会への適応の蓄積」かもしれません。
「主に左利き」というグラデーション
長男は「主に左利き」です。
書くのは左、はさみは右(左利き用がなかったから慣れた)、
箸は右(そのまま覚えた)、スポーツは左中心。
利き手って、実は「完全に左」「完全に右」というより、
場面によってグラデーションがある人も多い。
「左利きだから」という一括りのラベルより、
「この子の場合、何が左でやりやすくて、何が右でやりやすいか」
を個別に見ていく方が大切だと感じています。
アドラー心理学が教える「個性の尊重」の視点
「個人を全体として見る」
アドラー心理学の基本的な視点のひとつに、
「個人心理学(Individual Psychology)」があります。
「左利き」「活発な子」「おとなしい子」という
ラベルで子どもを理解しようとするのではなく、
「この子自身」を全体として見ることを大切にします。
「左利きなら左で息継ぎするはず」という理論は、
「左利き」というラベルから来ています。
でも長男は「左利きの長男」であり、
「長男自身」でもある。
その「長男自身の体感」が「右の方がラク」と言っているなら、
それを信じることが、個人を尊重することです。
「課題の分離」で子どもの「やりやすい」を守る
アドラーの「課題の分離」の視点では、
「どちらで息継ぎするか」は長男の課題です。
コーチのアドバイスは参考になる情報ですが、
最終的に「どちらが自分の体に合うか」を決めるのは長男自身。
「左利きなんだから左でやりなさい」と親が強制することは、
長男の課題に踏み込みすぎることになります。
「どっちがやりやすかった?」と聞いて、
「右の方がラク」という答えを受け取るだけでいい。
「自分らしい正解」を見つける力を育てる
アドラー心理学では「他者比較より自己成長」を大切にします。
「左利きの理論的な正解」より
「長男自身の体感的な正解」の方が大切。
「これが自分にとってやりやすい」を
自分で判断して選べる力を育てること。
これが、長期的に見た「個性の尊重」の意味だと思っています。
左利きの息子が教えてくれたこと
息継ぎの話が、子育てに見えてきた
スイミングの息継ぎというのは、
子育てのメタファーにもなる気がします。
「セオリー通りにやった方がいい」という外からの声と、
「でも自分はこっちの方がラク」という内側の声。
どちらを信じるか。
子育ても同じで、
「こうするのが正解」という理論と、
「うちの子にはこれが合ってる」という体感の間で
親もいつも揺れています。
正解は、外側の理論じゃなくて、
その子の「これが自分」という体感の中にある。
息継ぎひとつがそれを教えてくれた気がしました。
「右の方がラク!」と即答した息子を誇らしく思った
「どっちがやりやすい?」と聞いたとき、
長男が「右の方が断然ラク!」と即答したこと。
これって、実はすごいことだと思っています。
「先生がそう言うから左でやらなきゃ」ではなく、
自分の体感を信じて「右の方がラク」と言える。
「こうすべき」という外側の声より
「自分にはこれが合う」という内側の声を信じられること。
それが長男の強みだなと思いました。
左利きあるあるが面白い
・はさみが使いにくい(でも右手でなんとかしてる)
・ノートの端に手首が引っかかって消える
・スポーツでは相手が対応しにくくて意外と有利
・「右の方がラクな場面」が思ったより多い
・「左利き用」と言われてもピンとこないことがある
左利きって「左が常に得意」というより、
「両方の世界を行き来しながら自分のやり方を作ってきた人」
なのかもしれない、と長男を見ながら思います。
「子どもの体感を信じる」ための3つの視点
視点1:「〇〇だからこうするべき」に気をつける
左利き、男の子、長女、活発な子——
こういったラベルから「こうすべき」を決めすぎない。
「この子の場合はどうか」を、
その子自身に聞いてみることが大切です。
視点2:「自分にとってのやりやすい」を言える子に育てる
「先生がそう言ってたから」より
「自分は右の方がラク」と言える感覚を育てる。
「自分の体感を信じていい」という安心感が、
それを可能にします。
視点3:子どもが「これが自分」と言ったとき、受け取る
「右の方がラク!」と言ったとき、
「でも左利きなんだから」と訂正しない。
「そっか、右の方がやりやすいんだね」と受け取る。
その受け取り方が、子どもの「自分を信じる力」を育てます。
正解は、その子の「これがやりやすい」の中にある
「左利きなら左で息継ぎ」という理論。
「右の方が断然ラク」という体感。
どちらが正解かといえば、
長男にとっては「体感」の方でした。
子育てにおける「正解」も同じで、
外側の理論より、その子の「これが自分」という感覚の中に
本当の正解があることが多い気がします。
「これがやりやすい」を自分で見つけて、
自分で選べる力を育てること。
左利きの長男から、
また一つ大切なことを教わりました。


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