あの1点が、いつも以上に嬉しかった理由
夏休み最後のサッカーの試合。
長男(小4)が、シュートを決めました。
その瞬間、見ていたこちらまで、胸が熱くなりました。
でも嬉しかったのは、ゴールを決めたことだけじゃない。
暑い中で続けた日頃の練習。
初めて参加したサッカーの合宿。
チームの友達と仲良くなって、
一緒に遊ぶようになったこと。
そんな夏休みの時間を見てきたから、
あの1点が、いつも以上に嬉しかった。
この記事では、アドラー心理学の「勇気づけ」という視点から、
「過程を知っている親だからこそできる関わり方」と
子どもの努力の受け取り方を考えます。
なぜ「過程を知っている」と感動が深いのか
「結果」は点だが、「過程」は線
シュートが決まった瞬間は「点」です。
でもその点に至るまでには、
何十回も繰り返した練習、
暑い夏の日の合宿、
チームメイトとのぶつかりと仲直り、
「できなかった」を重ねた日々がある。
「線」を知っているから、
「点」の意味が深く響きます。
「結果だけ見る」のと「過程まで知っている」のでは、
同じゴールでも、感動の質が違います。
親だからこそ見えている「線」がある
コーチも、チームメイトも、
試合を見に来た人たちも、
「この1点」を見ている。
でも、毎日の練習を送り迎えしてきた親だけが、
「あの暑い日も練習に行ったんだよな」
「合宿から帰ってきた夜、疲れて倒れるように寝てたな」
という「線」を知っている。
その「線」を知っているから、
「点」が胸に刺さる。
これは、ずっと傍にいてきた親にしか感じられない感動だと思います。
「見てきた」ということ自体が子どもへの贈り物
長男は、練習のたびに父親が見てきたことを
どこかで知っています。
「試合に来てくれた」という事実より、
「毎日の練習を気にしていてくれた」「合宿に送り出してくれた」
という積み重ねが、
子どもにとっての「自分は見てもらっている」という
安心感になっていきます。
アドラー心理学が教える「勇気づけ」と過程の受け取り方
「勇気づけ」は結果ではなく過程への承認
アドラー心理学の「勇気づけ」は、
「結果をほめること」ではなく、
「そこまでの取り組みを認めること」です。
「ゴール決めたね!すごい!」という言葉は、
結果への評価です。
「あの暑い夏、ずっと練習続けてたもんね」という言葉は、
過程への承認です。
どちらも大切ですが、
「過程への承認」の方が、
子どもの「また頑張ろう」という内発的動機を
より深く育てます。
「結果ほめ」と「過程ほめ」の違い
結果をほめることの課題は、
「結果が出なかったとき」に何も言えなくなることです。
シュートが外れた試合も、
「あの暑い夏、ずっと練習続けてたもんね」という言葉は同じように使えます。
過程への承認は、
「結果の良し悪しに関わらず」届けられる勇気づけです。
「自己効力感」は過程の積み重ねから育つ
アドラー心理学の「自己効力感」——
「自分はできる」という感覚——は、
結果だけでなく、過程の積み重ねから育ちます。
「あの練習があったから、今日のゴールがあった」
という感覚を子ども自身が持てることが、
「次の夏も頑張ろう」につながっていきます。
この夏の長男を振り返って
暑い中で続けた練習
今年の夏は本当に暑かった。
それでも長男はサッカーの練習を続けていました。
「今日暑いし行きたくないな」とは言わなかった(たぶん)。
もし言っていたとしても、グラウンドに向かっていた。
その「続けた」という事実が、今日の1点の土台です。
初めての合宿
今年の夏、初めてサッカーの合宿に参加しました。
家族と離れて、チームメイトと泊まりで練習する。
帰ってきた長男は、少したくましくなっていた気がしました。
「合宿、どうだった?」という問いに、
「楽しかった」と言ったその顔が、
いつもより少し大人の顔だったような気がします。
チームの友達とも仲良くなった
合宿を経て、チームメイトとの距離が縮まりました。
習い事で一緒の子たちと、
夏休みに市民プールにも行くようになった。
「サッカーを通じてつながった友達」が、
「一緒に遊ぶ友達」になっていった。
「なんか気づいたら話してた」という長男の言葉通り、
共通の時間を積み重ねることで自然に生まれた友達関係です。
そしてあの1点
夏休み最後の試合で、シュートが決まった。
コーチも、チームメイトも、見に来ていた親御さんたちも、
「やったー!」という瞬間として受け取った。
でも、練習の送り迎えをしてきた自分には、
「あの暑い夏のあれこれ全部」が詰まった1点として
届きました。
「過程を知る親」の関わり方
日常の「見ている」が勇気づけになる
子どもの習い事や活動を見ていること——
送り迎えする、話を聞く、練習の様子を聞く——
これ自体が、子どもへの勇気づけになります。
「見てもらっている」という感覚が、
「また頑張ろう」という動機につながります。
過程に目を向けた言葉を渡す
試合の後、「ゴール決めたね!」に加えて、
「あの暑い夏、ずっと練習してたもんね」
「合宿も行ったもんね」
「チームのみんなと仲良くなれたね」
という過程への言葉を渡す。
この「過程ごと受け取った」という言葉が、
子どもの中に深く残ります。
結果が出なかったときも「過程」で言葉を届ける
シュートが外れた試合も、
「今日は惜しかったね。でも今年の夏、ずっと練習続けたね」と
過程への承認で言葉を届けられる。
結果の良し悪しに関わらず、
「あなたの取り組みを見ていたよ」というメッセージは、
子どもの「また挑戦しよう」を守ります。
親だから知っている「線」が、感動の深さを作る
夏休み最後のサッカーの試合、長男のゴール。
胸が熱くなったのは、
「過程を知っているから」でした。
暑い中の練習、初めての合宿、チームの友達との時間。
その「線」を知っているから、
「点」が深く届く。
アドラーが言う「勇気づけ」——
過程を認め、取り組みを承認すること——は、
結果が出た瞬間に最も力強く届きます。
夏休み、よく頑張ったね、長男。


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