子どものゲームを「ダメ」と言う前に アドラー心理学「勇気づけ」から考える、気持ちを受け止めることと要求を叶えることの違い

ゲームを止める前に伝えること 子育ての気づき・日常

ゲームイベントの夜、起こし忘れた朝の話

小4息子に、頼まれていました。

「夜、ゲームのイベントがあるから起こしてね!」

起こすつもりでした。でも疲れて爆睡してしまい、気づいたら朝になっていました。

朝起きると、息子は泣いて怒っていました。詳しく聞くと、週に一度しかないイベントだったそうです。その日をずっと楽しみにしていた。

「来週もあるよ」と伝えたけれど、息子にとっては、その日が大切だったんです。来週は来週。今日は今日。子どもの「今」の気持ちは、大人の「また次があるから」ではなかなか補えません。

この朝の出来事から、アドラー心理学「勇気づけ」と「課題の分離」について、改めて考えさせられました。

アドラー心理学「勇気づけ」 まず気持ちを受け止める

勇気づけとは「気持ちを認めること」から始まる

アドラー心理学の「勇気づけ」というと、「ほめること」や「前向きな言葉をかけること」と思われがちです。でも本来の勇気づけは、もっと根本的なところから始まります。

それは、子どもの感情をそのまま受け止めることです。

「楽しみにしていたんだね。起こせなくてごめんね」

評価も言い訳もなく、ただその気持ちを認める。これが勇気づけの第一歩です。

怒りや悔しさの裏にある「楽しみにしていた気持ち」

息子が泣いて怒っていたとき、表面上は「なんで起こしてくれなかったんだ!」という怒りです。でもその怒りの裏には、「そのイベントを楽しみにしていた」という純粋な気持ちがありました。

アドラーは、感情はその人が「何かを達成するために」使っていると考えます。息子の怒りは、「自分が大切にしていたことを守ってほしかった」というメッセージでした。

その気持ちを「来週もあるよ」で終わらせてしまうと、息子は「自分の気持ちをわかってもらえなかった」という体験になります。まず「楽しみにしていたんだね」と受け止めることで、息子は「この気持ちを認めてもらえた」と感じられる。それが勇気づけになります。

感情を受け止めることと、要求を叶えることは別の話

「共感」と「許可」を切り分ける

ここで大切なのが、「気持ちを受け止めること」と「要求を叶えること」は別のことだということです。

息子の悔しかった気持ちは、本物です。その気持ちを受け止めることは、親として当然すること。でも、「じゃあ来週は夜中に起こしてあげよう」とはならない場合もあります。

正直に言うと、このとき息子はまだ咳が出ていて、翌朝にはサッカーの試合も控えていました。もし起きていたとして、深夜のゲームをOKしたかというと、それは別の判断が必要です。

子どもの気持ちを尊重することと、何でも希望を叶えることは違う。「あなたの気持ちはわかる。でも夜のゲームはまた別の話」 この切り分けができるかどうかが、勇気づけの実践で親が迷いやすいポイントです。

アドラー心理学「課題の分離」の視点から

アドラーの「課題の分離」という概念があります。「これは誰の課題か?」を分けて考えるものです。

ゲームのイベントを楽しみにしていた気持ち これは息子の気持ちであり、息子の課題です。その気持ちを親が「なかったこと」にするのは違います。

一方、夜何時まで起きてよいか、翌日サッカーの試合がある日に深夜のゲームを許可するか——これは親として判断する課題です。子どもの気持ちを聞きながらも、最終的に親が責任を持って決める部分があります。

「あなたの悔しい気持ちはわかる。でも、体調のことと翌日の試合のことを考えると、深夜のゲームはまた別に話し合おう」

こうした伝え方が、感情の受け止めと親の判断を両立させる勇気づけです。

オンラインゲームと子育て 親が迷う理由

「ゲームが悪いわけじゃない」という前提

オンラインゲームのイベントに夜中まで参加したい これは、子どもにとっては「友だちと一緒に楽しむ大切な時間」です。

ゲームそのものが悪いわけではありません。仲間と同じ時間を共有する体験、目標に向かって取り組む体験、ゲームの中にも子どもが育つ要素があります。

だからこそ「ゲームはダメ」と一律に禁止するのではなく、どう付き合うかを親子で話し合うことが大切になります。

親が迷う3つのポイント

オンラインゲームをめぐる子育ての悩みには、こんなパターンがあります。

  • 時間のコントロール:何時までOKにするか。平日と休日で変えるか。
  • 健康・生活リズムとの兼ね合い:翌日の体調、睡眠時間をどう守るか。
  • 子どもの「楽しみ」と親の「心配」のバランス:楽しみを尊重しながら、健康も守る。

これらに「正解」はありません。家庭によって、子どもによって、その日の状況によっても、判断は変わります。

「ルールを作ること」より「話し合えること」が大切

アドラー心理学の視点から考えると、ゲームのルールを「親が決めて子どもに守らせる」より、「一緒に話し合って決める」ほうが子どもの自律につながります。

「来週のイベント、どうする?翌日学校がある場合はどんなルールがいいと思う?」

子どもに考えさせることで、自分でルールを守る力が育ちます。親が一方的に決めたルールより、自分で決めたルールのほうが守られやすい。これは大人でも同じですよね。

「起こせなくてごめんね」 親が謝ることの意味

親の謝罪が「信頼関係」をつくる

「起こせなくてごめんね」と息子に伝えました。

親が子どもに謝ることを、「親の権威が落ちる」と考える方もいるかもしれません。でも私は逆だと思っています。

約束を守れなかったときに、ちゃんと謝れる親。これが子どもに「この人は信頼できる」という感覚を与えます。親が正直に謝ることで、子どもも「失敗したときは謝っていい」と学びます。

謝ることは「正当化」ではなく「誠実さ」

ただし、謝ることはすべてを肯定することではありません。「起こせなくてごめん」と言いながら、「でも深夜のゲームはまた別の話」と伝えることができます。

誠実に謝りながら、親としての判断もちゃんと伝える。この両立が大切です。

まとめ|悔しい気持ちを受け止めながら、親として判断する

  • アドラー心理学「勇気づけ」 子どもの感情をまず受け止めることが、勇気づけの第一歩
  • 怒りや悔しさの裏には「楽しみにしていた気持ち」がある。その気持ちを認めることが大切
  • 「感情を受け止めること」と「要求を叶えること」は別のこと 共感と許可を切り分ける
  • アドラーの「課題の分離」 子どもの気持ちは尊重しながら、生活・健康の判断は親が持つ
  • ゲームのルールは「親が決める」より「一緒に話し合って決める」ほうが子どもの自律につながる
  • 親が正直に謝ることで、子どもは「失敗は謝っていい」と学ぶ。信頼関係の積み重ねになる

オンラインゲームとの付き合い方、まだまだ正解は見つかっていません。悩みながら、試行錯誤しながら、子どもと話し合っていく毎日です🍡

コメント

タイトルとURLをコピーしました